タッチセンサー式遠隔マニピュレータシステム
操作員は、スレーブが離れた地点でリアルタイムで正確に同じ動きをするマスターマニピュレータを使用して操作を行います。スレーブは、電力とデータ用の2本のケーブル間に機械的な接続がないため、マスターから最大8㎞の位置に設置可能です。操作員は、次のことができます。
- 10kg(アーム1本)から100kg(クレーン付きアーム2本)までの対象物を操作
- 標準ピペットから一度に1滴を分注
- 周囲の表面材質を検出
人間の腕の動きを再現する特別設計
操作員は、あたかも現場で直接作業をしているのようにほぼ正確に作業を準備し、実施することができます。
デクスターによる複雑な仕事の簡略化
デクスターは、人間が実施できるハンドツールの操作を行うことが可能です。マニピュレータには2,000以上のツールが採用されており、遠隔環境での予期しない事態に対処することも可能です。デクスターの使用は、疲労を軽減し感度を上げるなどにより、操作員が支援のない場合と比べてより多くの作業の実を可能にします。
力の調整から人間工学に基づいた着座または立位による作業位置まで、デクスターは複雑な遠隔操作をより簡単にするように設計されています。
稼働中のデクスター
炉心溶解後調査
顧客:三菱重工業株式会社
目的:東京電力ホールディングス株式会社 副しゅま第一原子力発電所 原子炉炉心溶解後の内部調査
デクスターを使用して遠隔調査メインブームを補助する
- 原子炉に入るブームに搭載する検査装置の交換
- ブームが収納されている容器への機器の出し入れ
- ブーム容器内でのツールの操作
地下廃棄物の回収と再パッケージ化
顧客:カナダ原子力研究所
プロジェクトの目的:地下に貯蔵されたレガシー廃棄物の回収及び再パッケージ化
操作員はデクスターを使用して、廃棄物を分類、キャラクタリゼーション、パッケージ化します。デクスターは、人間が行うことができるほとんどすべての動作を行うことができ、危険な環境下で人間の代わりを務めることが可能です。
2本のアームにより次の操作が可能なため、デクスターが選ばれました。
- 混合廃棄物を分離
- 密閉容器の開封
- 広範なスペースにアクセスし、大容量及び小容量廃棄物を回収
- 最終パッケージの量を減らすために、廃棄物を処理し分類する
- 性状の明らかでない廃棄物を扱う
同じ環境で、それ自体や他の遠隔操作機器を修復する。
デクスターの主要な特徴
- 危険な環境下でのリスク低減と複雑な作業の簡素化
- 「人間に情報を与える」ことで、想定外事態に安全に対処する能力
- 資産のさらなる活用による運用効率の向上
- グローブボックスと放射線保護システムの簡素化
- 作業者の能力向上